「諫める(いさめる)」と「窘める(たしなめる)」の違い

人との関わりにおいて、時には相手の行動や言動に対して注意を促す必要があります。

そのときに使われる言葉に「諫める」と「窘める」というものがありますが、これらの言葉は似たような意味を持っていますが、微妙に異なるニュアンスがあるため、正しく使い分けることが重要です。

今回は、「諫める」と「窘める」の意味や使い方、違いについてみていきましょう。

「諫める」の意味

「諫める」とは、相手がする行動や言動が、道徳的に良くない、または社会的に望ましくないと判断した場合に、その相手に対して批判的に指摘し、改めるように勧めることを意味します。

つまり、相手の過ちを正して導くために、助言や忠告をすることを指します。

例えば、上司が部下に対して「あなたの仕事ぶりは最近落ちている。もっと努力しないといけない」というような言葉をかける場合、これは「諫める」行為と言えます。

「諫める」例文・使い方

ここでは「諫める」の例文や使い方についてみてみましょう。

友人がタバコを吸おうとしたので、「健康のために禁煙した方が良いよ」と諫めた。

上司が社員に対して「遅刻は許されない。もう一度考えてください」と諫めた。

「窘める」の意味

一方、「窘める」とは、相手が誤った行動や言動をした際に、その責任を負わせ、反省させるために、厳しく叱責することを指します。

つまり、相手を責めることで罪悪感を与え、反省や改善を促すために使われます。

例えば、社員が重大なミスを犯した場合、上司は「これでは困る。次からはもっと注意しなさい。」というような言葉をかけることがあります。

これは「窘める」行為と言えます。

「窘める」例文・使い方

ここでは「窘める」の例文や使い方についてみてみましょう。

子供が遊びに夢中になり、宿題を忘れた時には「もう一度考えてみなさい。このままでは成績が落ちるよ」と窘めた。

社員が失敗をした場合に、上司が「これでは困る。もう一度考えてもらいたい」と窘めた。

「諫める」と「窘める」の違い

以上のように、「諫める」と「窘める」は似たような意味を持っていますが、微妙に異なるニュアンスがあります。

主な違いは以下の通りです。

目的の違い

「諫める」は、相手を正しい方向へ導くことが目的です。一方、「窘める」は、相手を反省させ、改善を促すことが目的です。

使われる場面の違い

「諫める」は、相手の行動が社会的に好ましくない場合に使われます。一方、「窘める」は、相手の行動が誤りである場合に使われます。

受け取り方の違い

「諫める」は、相手を肯定的な方向へ導くために助言や忠告をすることであり、相手が受け入れやすいニュアンスがあります。一方、「窘める」は、相手を厳しく叱責することであり、相手が責任を感じ、反省することを促します。

まとめ

「諫める」と「窘める」は、似たような意味を持ちますが、微妙に異なるニュアンスがあります。

正しく使い分けることで、相手を適切に導いたり、反省を促したりすることができます。

ただし、適切なタイミングや表現方法を考慮することが重要であり、相手の立場に立った上で、適切に使い分けることが求められます。

今回は以上です。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。