強硬と強行の違い!「きょうこう手段」はどっちの漢字を使う?
記事公開日:2016年5月6日
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強硬と強行。
どちらも「きょうこう」と読みますし、意味もなんだか似ていますよね。
たとえば、強引な方法で物事をすすめるとき。
という言葉のどちらを使うのが正しいのでしょうか。
同じ意味?
いやいや、どうでしょう。
ということで!
今回は、「強硬」と「強行」の意味の違いや使い分け方法についてまとめました。
さっそくみていきましょう。
強硬と強行の意味の違い
まずは、意味の違いからチェックです。
漢字の見た目から受けるイメージが似ているだけに、使い方に迷ってしまいますよね。
でも、よく見てみると、強硬と強行。
このふたつの単語は、品詞や活用のしかたが違います。
品詞でいうと、
- 強硬
名詞。形容動詞。
活用は形容動詞:強硬な、強硬だ。等
- 強行
名詞。
活用は動詞:強行する。
もう少し具体的に言うと、形容動詞は「~な」という形になって動詞や名詞を形容(説明)します。
一方の名詞は、単語そのものの形が変化しません。
決定的な違いはここですね。
(^-^)h
つまり、「強硬な」とは言えても、「強行な」とは言えないのです。
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角度を変えて、意味の面から考えてみましょう。
辞書でチェックしてみると、強硬の意味は…
- 強硬の意味
自分の立場・主張を強い態度であくまでも押し通そうとすること。
また、そのさま。
とあります。
対して強行のほうは…
- 強行の意味
無理を押しきって強引に行うこと
という説明です。
大ざっぱに言うと~、
強硬のほうはその主張や行為に対しての態度が問題にされ、
強行だと「行為をやり遂げるという行動にポイントが置かれています。
たとえば、
採決を強行する
では採決を行うために強引な方法をとる「行動」にフォーカスされており、
採決に強硬に反対する
だと、採決に反対する「態度・姿勢」がフォーカスされています。
この微妙な違いが日本語の面白いところですね。
(^^ゞ
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強硬手段と強行手段について
さて、では次にもう少し具体的な単語を使って比較してみましょう。
たとえば・・・・
強行手段と強硬手段。
どちらもニュースや新聞で見かける言いまわしですが、
実際のところどちらが正しいのでしょう。
ここでちょっとおさらいです。
品詞で分けると、強行は名詞。
強硬は形容動詞でしたね。
それを踏まえたうえで、この2つの言葉をみてみましょう。
強行手段の場合
「手段を強行する」
と置き換えるとなんだか少し違和感を感じますよね。
手段は方法であって行うものではありません。
「強行する手段」
と言い換えてもなんだかちょっとヘンですね。
ということで、「強行手段」は普通に使われてはいるものの、
ちょっとヘンな日本語、ということになりますね。(^^;
使われている意味からすると、
強引な手段を使って物事を進める
といった感じでしょうか。
強硬手段の場合
一方、強硬手段のほうはどうでしょうか。
さきほど「強硬」は形容動詞として使えるという話がありましたね。
強硬の場合は以下のような活用ができます。
つまり、今回であれば、
強硬な手段
と、言い換えることができます。
強硬の反対語は「軟弱」とあらわすこともでき、
強気な態度を示しています。
なので、こちら場合は、
強気な立場を手段としてとる
といった意味として問題なく使うことができます。
強行手段との違いは、前者が行為、行動を手段として使うのに対し、
強硬手段は、軟弱ではない強気な態度を手段として使っているところですね。
強行手段は、こちらから相手に向かって行う行為、
強硬手段は、むこうから来るのを受けて立つイメージとなります。
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まとめ
今回は強硬と強行について、文法と意味の面から紹介しました。
ざっとまとめると以下のようなイメージとなります。
強行 | 強硬 | |
品詞 | 名詞 | 名詞、形容動詞 |
活用 | 動詞 (強行する) | 形容動詞 (強硬な、強硬だ) |
意味 | 行為/行動 | 態度/スタンス |
対義語 | - | 軟弱 |
まぎらわしい言葉でも、語源やそもそもの意味をていねいにたどれば、やはり違いがあるものなのですね。
文章を書いている時などに、どちらの「きょうこう」を使えば良いのかわからなくなってしまった場合は、今回紹介した内容を思い出してみてくださいね。
今回は以上です。
ご参考になりましたら幸いです。
(*゚ー゚*)ノ
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