基板とはどういう意味?基盤との違いは?
記事公開日:2016年5月5日
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基板と基盤。
どちらも「キバン」と読む同音異義語ですよね。
コンピュータの専門雑誌を読むと、「基板」という単語をよく見かけます。
内部の電子回路を載せるための部品、という意味で使われているのですが、「基盤」と書かれていることもあったりして、
「どちらが正解なの!?」
とちょっと疑問に思ってしまうことがあります。
そこで今回は、「基板」と「基盤」の違いからそれに関連した言葉の使い方まで、しっかりと調べてみました。
それではさっそくみていきましょう!
基板の意味
まずは、基板について調べてみましょう。
- 基板
集積回路などに作り上げるための回路素子を組み込んだり、プリント配線をしたりした板。
プリント基板・シリコン単結晶板などがある。
プリント回路板。
基板の説明にはしっかり、集積回路という単語が入っていますね。
そもそも基板は、比較的新しい言葉。
コンピュータの誕生とともにうまれたと言ってもいいでしょう。
では次に、「基盤」についてみてみましょう。
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基盤の意味
言葉の「うまれ順」で考えると、基盤のほうが先輩になります。
- 基盤
物事を成り立たせるためのおおもとの部分。
土台。
少なくとも辞書には、電子回路に関連した説明はないようです。
上記の説明を比べてもわかるように、基板と基盤では、意味の重なる部分がまったくありません。
したがって、電子部品の基板を基盤と書くことは、厳密に言えば間違いですね。
にもかかわらず、どうして両方の表記が使われているのでしょうか。
・・・・・・・
先輩の影響力が強いのは、言葉の世界も同じこと。
おそらく「電子部品のキバン」という耳慣れない言葉に対して、多くの人がパッと慣れ親しんだ「基盤」のほうをイメージしたのでしょう。
確かに意味は違っても、読んでみるとそんなに違和感がないよね…。
そういう流れで、基板と基盤の共存はつづいているのかもしれません。
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文字板と文字盤
似たような例で、文字板と文字盤があります。
こちらも使い方がまぎらわしいですよね。
調べたところでは、文字板の説明は載っていませんでした。
ところが、文字盤のほうはちゃんと載っていました。
- 文字盤
時計や計器・タイプライターなどについている文字・数字・記号を記した盤
文字板の意味を無理矢理想像すると、たんに文字が刻まれた板、という感じでしょうか。
発話が不自由な人がコミュニケーションに使う五十音表も文字盤と言います。
ちなみに将棋に使うのは将棋盤であって、将棋板とは書きません。
基盤と基礎
興味が出てきたので、基盤と基礎の違いについても調べてみました。
例文を挙げてみましょう。
どちらも違和感はありませんよね。
けれど、じゃあまったく同じ意味かと聞かれれば、首をかしげてしまいます。
数学の基礎を教える
とは言いますが、
数学の基盤を教える
とは言いませんよね。
ではちょっと意味を調べてみましょう。
- 基礎
1.
ある物事を成り立たせる、大もとの部分。もとい。
建造物の荷重を支持し、地盤に伝える最下部の構造物。
2.
地形(じぎょう)・土台など。
「1」の意味は、基盤と共通していることがわかります。
違いがあるのは「2」の部分。
物理的にささえる、というニュアンスが含まれています。
「経済基盤」は日常的に使われますが、
「経済基礎」は不自然ですよね。
このことから、基礎は大きいスケールでの土台を指し、
基盤はそれよりもやや意味が限定的、と考えられます。
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まとめ
今回は、「基板」と「基盤」の違いについて紹介しました。
基板と基盤は、成り立ちが全く違う言葉でした。
基板:コンピューターの集積回路を載せるための部品
基盤:物事を成り立たせるためのおおもとの部分
基盤:物事を成り立たせるためのおおもとの部分
つまり、「プリント基盤」というのは誤用ですね。(^^;
「文字板」も「文字盤」が正解。
普段、何気なく使っている言葉もちゃんと調べてみるとしっかりと違いがあり、普段使っている自分の日本語の曖昧さに驚きます。(^^;
せっかくであれば、正しい日本語を使っていきたいものですね。
今回は以上です。
ご参考になりましたら幸いです。
(*゚ー゚*)ノ
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