頂くと戴くの違い!いただくの使い分け方法はこれでバッチリ!
記事公開日:2014年12月19日
最終更新日:2015年12月30日
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日本人の文化ってなんだか不思議で、
季節ごとに物を贈り合う習慣がありますよね。
お歳暮とか、お中元とか。
会社同士でも行うため、夏や冬になると、
ジュースやお菓子が届いたりします。
「あらっ、お返事書かないとっ」
と、お礼状を書こうとしたときに、
「このたびは結構なお品をいただき・・・」
いただき・・・頂き?・・戴き!?・・
お、おう。手が止まってしまいました。
「いただく」って漢字で書くと2種類ありますよね。
これって、どっちが正しいのでしょうか。
ネットで辞書っぽいサイトを調べても、
「頂く/戴く」って、、どっちでもエエんかい!(#`皿´)
でも2種類あるからには、
それなりに理由があるはず!!
なんかはっきりしなくて気持ちが悪かったので、
ムキになって調べてみました!
ということで今回は、手紙や文章を書くときに、
「戴く」と「頂く」はどちらを使えばよいのか。
その使い分け方法について紹介します。
それではどうぞ~。
目次
頂くと戴くの違い
頂くと戴くの違いについて調べ始めた時、
まず、お歳暮のお礼状のテンプレートを探しまくりました。
すると、
という感じでした。
ふむふむ。お礼状にはひらがなの
「いただく」を使えば安牌か。
よし、これで解決っ
・
・
・
って、そうじゃない!
「戴く」はどこ行ったんだっ、コノヤロー!(ボンバイェ!)
ということで、当初の目的を忘れて、
さらに調べました!(笑)
戴くは常用漢字ではない
で、よくよく調べてみると、
「戴く」は常用漢字では使われないようです。
常用漢字とは、国(文部科学省)が「こんな感じで言葉を使おうぜ」
って決めているガイダンスみたいなものですね。
ということは、「戴く」は、学校や、新聞、テレビなどでは、
あまり使われていない。ということになります。
ははぁ、なるほど。
それで、会社としての公式文章にあたる、
お礼状などでは使われていないんですね。
納得です。
でもっ
「戴く」と「頂く」の違いが何かについては、
納得してないぞっ!
わかるのかっ!オイッ!(ファイッ!カァン(ゴングの音))
ただ、いろいろ調べてなんとなく見えてきました。
ちょっと、ヒートダウンして、
それぞれの言葉の意味についてみていきましょう。
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頂くの意味と使い方は?
まずは「頂く」についてみてみましょう。
こういう時は、熟語を持ってくるのが吉です。
「頂」を使う二字熟語
- 山頂:サンチョウ
- 頂点:チョウテン
- 絶頂:ゼッチョウ
うん。なんだか、見えてくるものがありますね。
「頂」の意味は、上下の概念がある中での
てっぺんを意味しています。
さらに、この漢字をバラすと、
「頁」はあたまという意味を持ちます。
「丁」はいちばん高いという意味を持ちます。
つまりこれを合わせると頭のてっぺんという意味になります。
「頂く」というのは、相手を自分のてっぺんに
「いただく」という意味になり、
そこから転じて「大切にする・敬い扱う」
という意味で使われるようになりました。
具体的な「頂く」の使い方
では、次にどんな時に
「頂く」を使うのかを見てみましょう。
大きく分けて2パターンあります。
相手を立てた丁寧な言い回しとして、
「謙譲語」があります。
2パターンとそれぞれの例文はこちら。
「もらう」の謙譲語
例)
励ましの言葉を頂く
時間を頂く
例)
- 「食べる」「飲む」の謙譲語
- お酒をもう一杯頂く
- ごちそうをおなかいっぱい頂く
例)
この時にポイントとなるのは、
頂くは行為に対して使われる言葉
ということですね(^-^)h
戴くの意味と使い方は?
では次に「戴く」を見てみましょう。
さきほどと同じ、二次熟語をチョイスしました。
- 「戴」を使う二字熟語
- 戴冠:タイカン (王冠を頭にのせること)
- 推戴:スイタイ (団体の長として上に立てること)
- 戴天:タイテン (天をいただくこと)
ふむふむ。こうしてみると、「頂く」にあるような、
てっぺんという要素はまるでありません。
代わりに、戴く(イタダく)という意味での、
何かが上にかぶさっている状況を表していますね。
というのも、もともと「戴」という漢字は、
「面を持ち上げてかぶる」という語意を持ちます。
そこから「のせる」という意味が加わり、
「頭に物をのせる」という意味を表します。
ちょっと例文をみてみましょう。
- 「戴く」の例文
- 頭に冠を戴く
- 山に雪を戴く
このように、てっぺんに何かがのっかっているという時に、
「戴く」を使うと、とてもしっくりくるわけです。
あ、でも山の場合は、雪がのってるのが、
「頂上」でもあるので、少し微妙かな(^^;
イメージとして、「頭に何かがかぶさっている」というのが、
ベースにあるので、
現代で「もらったもの」に対して使うと、
メッチャおごそかに表現した感じになります。
そりゃもう、殿様が家臣に褒美を賜ったがごとく、
「ははぁ~m(_ _)m」
という感じですね(笑)
お菓子をもらった場合も「戴く」を使うと、
ものすごいたいそうな高級菓子をもらっている印象を受けます。
ポイントは、頂くが行為に対して使う言葉なのに対し、
戴くは物・物品に対して使われる言葉
というところですね(^-^)h
自由な表現の場では使われる「戴く」
ということで、現代では「戴く」は、
という理由で、あまり使われる機会は少ないのです(^^;
ただし、詩、小説など、自由な表現ができる場では、
雰囲気を出すために、使われることもしばしばあります。
これは、以前にも紹介しました、
「寂しい」と「淋しい」の違いと一緒ですね。
夏目漱石とか、森鴎外の小説などを読んでいると、
けっこう「戴く」が使われていたりします(^^
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「いただく」とひらがなで書くケース
さて、最後に、「頂く」と「戴く」が
両方とも使えないケースについて紹介します。
頂くも戴くも、どちらも動詞ですよね。
- 飲み物を頂く
- 冠を戴く
- 飲み物(名詞) + を + 頂く(動詞)
- 冠(名詞) + を + 戴く(動詞)
↓分解☆
これ以外に「いただく」を使うケースとして、
何かの行為を示す動詞にくっついて使われる、
補助動詞
があります。
先ほども出てきた「常用漢字」もそうですが、
文部省で「こうして使おうね」とした決まりでは、
補助動詞の「いただく」はひらがなを使う
ということにしているんです。
具体的には、動詞の後にくっついた、
「~してもらう」を尊敬語として使う時ですね(^-^)h
例を挙げると~
- 会場にお越しいただく
→ 会場(名詞)に + お越し(動詞) + いただく(補助動詞)
本をお読みいただく
→ 本(名詞)を お読み(動詞) いただく(補助動詞)
これって、最初のお礼状でも要注意ですよね!
つまり、
- ○ 結構なお品を頂きまして
× 結構なお品をお送り頂きまして
「もらう」という意味の場合はOKですけど、
動詞にくっついた「~していただく」の場合は、
ひらがなにしなきゃいけないってことなんですね~ヾ(;´▽`A“
「どっちだかわかんないよっ」っていう時は、
「いただく」を「頂戴する」に
置き換えてみるとイッパツですよ!
言い換えられなかったら、ひらがなで書いておけばOKです。
実際にためしてみましょう~。
- 例)「いただく」を「頂戴する」に置き換えた場合
- 励ましの言葉を頂戴する → OK!
- 時間を頂戴する → OK!
- 会場にお越し頂戴する → オカシイ!
- 結構なお品をお送り頂戴する → オカシイ!
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まとめ
今回は、「戴く」と「頂く」の違いについて紹介しました。
調べてみると結構、奥が深いですね~(^^;
使い分け方法については以下の通りです。
頂く:「もらう」と「飲食行為」の謙譲語。行為に対して使う。
戴く:常用漢字ではない。物品に対して使う。
いただく:補助動詞として使う場合はひらがなで書く。
戴く:常用漢字ではない。物品に対して使う。
いただく:補助動詞として使う場合はひらがなで書く。
今回は以上です!
参考になりましたら幸いです(^^ゞ
※2015/2/26 文章を一部修正しました。
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戴(タイ)と載(サイ)は違う漢字なのではないでしょうか?
戴を使った漢字の例:戴冠、不倶戴天
>たっきーさん
コメントありがとうございます。
うひゃぁ~!!
ご指摘の通りでございます!お恥ずかしい(>_<;)
慌てて、記事の内容を一部修正いたしました。
お知らせいただきまして本当にありがとうざいましたm(_ _)m
そうでしたか・・・今まで「~~させて頂く」と使ってしまっていました。