保留と留保の違い!法律用語として使われるのはどっち?
記事公開日:2017年8月16日
最終更新日:2020年1月20日
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そのままの状態で保存しておくことを、
「保留」
といいますよね。
電話などで、
「一旦、保留にします。」
などとよく使います。
しかし同じような漢字の「留保」という言葉もありますよね。
この二つは一体どう違うのでしょうか。
どちらの似たようなイメージですが、明確な違いなどあるのでしょうか。
と、いうことで!
今回は保留と留保の違いについてまとめました。
それではさっそくみていきましょう!
保留の意味
まず、保留という言葉を辞書でみてみましょう。
- 保留の意味
そのままを保ちとどめておくこと。
その場で決定を下さずに押さえてとめておくこと。
先延ばしにすること。
このようにあります。
一旦とどめておくこと、先延ばしにすることを意味しているので、例文としては以下のような使い方ができます。
例文
「私は返辞を保留して置いた」
「回答は保留させて頂きます」
「私は返辞を保留して置いた」
「回答は保留させて頂きます」
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留保の意味
次に、保留を逆さにした「留保」の方もみていきましょう。
- 留保の意味
1.
一時差し控えて、手もとにとどめておくこと。
保留。
2.
権利や義務を残留・保持することを意味する法律用語。
と、このようにあります。
「1」の意味は似ていますが、「法律用語」というキーワードが出てきましたね~。
以上を踏まえて、この二つの漢字の違いについてみていきましょう。
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保留と留保の違い
留保の意味の中に保留が入ってしまっているので
「結局同じ意味なの?」
と思ってしまいますよね。
ちょっと違いや使い分けがややこしいです。
似た言葉ではありますが、
やはりちょっと違う点もありますね。
保留は、まだ決めかねているときや、先延ばしにしたいときに、
「いつかは返答を出すけれど、今はまだとどめている」
という状態を指します。
一方、
留保は政治や法律の世界などでよく使われる言葉ですね。
相手の出方や状況を考慮して返答を温存したいときなどに使われます。
保留は致し方なく返答を先延ばしにしている状態。
留保は狙いがあり意図的に権利をとどめている状態のこと。
留保は狙いがあり意図的に権利をとどめている状態のこと。
と考えると違いが分かりやすいかもしれませんね。
留保金課税とは
「保留」は電話応対などでよく使いますが、「留保」はそんなに頻繁には使わないですよね。
どんな場合に使うのかを調べてみると、「留保金課税」という税金の話がありました。
留保金課税というのは、特定の株主によって支配されている会社(特定同族会社)に対して課される課税制度のことです。
特定の株主ではない非同族会社は、部下に配当を出したり、役員賞与を出したりすることが、経営者の業務となります。
なので、配当や賞与支出の際にきちんと税金が発生します。
しかし特定同族会社の場合は配当の延期が行われることも多く、内部留保する額が多い可能性があると考えられています。
そういった際に、本来の法人税とは別に特別課税を課すこと、と定められている制度が留保金課税なのでした。
なるほど。
「手元に留めて置く場合はそっちからも税金をとるぜ!」
ってことですね。
留保利益とは
「留保」が使われるケースをもう1つみてみましょう。
これまた法律っぽい話ですが、「留保利益」というものがあります。
留保利益というのは会社や企業の内部に蓄積されている利益のことをいいます。
純粋な利益の内、株主への配当、税金額、役員賞与などを差し引いた残りのことであり、蓄積している利益のことなので蓄積利益や利益剰余金と呼ぶこともあります。
留保金課税も留保利益も会社経営や税金制度などの法律用語として使われていますね。
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まとめ
今回は保留と留保の違いについて紹介しました。
どちらも似たような漢字ですし、辞書で調べると意味も似ていますよ。
ただし、保留は一旦先延ばしにしたいとき、ちょっととどめておきたいときに使いますが、留保は相手の出方などを見るため意図的に権利を温存している状態のときにも使えるのでした。
留保はあまり聞かない言い方ですが、主に法律用語としても使うことがあるのですね。
たしかに、「留保金課税」も「留保利益」も「手元に留めておいているものに対して」という意味合いが強かったですね。
今回は以上です。
ご参考になりましたら幸いです。
(*゚ー゚*)ノ
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