推敲の意味!校正との違いは?由来や使い方について
記事公開日:2017年9月13日
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レポートや論文を書く際に、
「よく推敲するように~」
などと言われることありますよね。
「よく考えるように」
と同じような意味合いの言葉にとれますが、
正しくはどういう意味なのでしょうか。
また、文章を正しく直すことを「校正」っていますよね。
出版業界などで頻繁に使っていそうな言葉です。
推敲と校正にはどのような違いがあるのでしょうか。
それに「推敲」ってちょっと見慣れない漢字ですよね。
言葉の由来や成り立ちが気になります。
と、いうことで!
今回は推敲の意味と校正との違いについてまとめました。
推敲の意味
まずは、推敲の意味からみてみましょう。
- 推敲の意味
詩や文章の表現を考え、何度も練り直して、苦心すること。
詩文の字句や文章をより良いものにするために何度も吟味し、作り直して作成していくときに使う言葉です。
一度書いた文章をじっくり見て考え、おかしなところはないか、直した方が良い場所はないか、捜し直していく作業を言うので自作のレポート、論文、小説などを直す際に使われることが多いですね。
由来
この推敲という言葉は中国に由来があります。
唐の時代の詩人についての事柄や、小伝、評論などを収めた書物である
「唐詩紀事」
の第四十巻に記されている逸話が元になっています。
どんな逸話なのか、漢文と書き下し文、現代語訳にして紹介していきましょう。
漢文
賈島赴挙至京。
騎驢賦詩、得「僧推月下門」之句。
欲改推作敲。引手作推敲之勢、未決。
不覚衝大尹韓愈。乃具言。
愈曰、
「敲字佳矣。」
遂並轡論詩久之。
書き下し文
賈島(かとう)挙に赴きて京に至る。
驢(ろ)に騎りて詩を賦し、「僧は推す月下の門」の句を得たり。
推を改めて敲(こう)と作さんと欲す。
手を引きて推敲の勢を作すも、未だ決せず。
覚えず大尹韓愈(かんゆ)に衝たる。
乃ち具に言ふ。
愈曰はく、
「敲の字佳し」と。
遂に轡を並べて詩を論ずること之を久しくす。
現代語訳
賈島(かとう)という者が官吏の登用試験を受けるために、はるばる都である長安へとやってきました。
ロバに乗りながら詩を考えていたら「僧は推す月下の門」という句を思い付きました。
しかし、一方で「推す」ではなく「敲す」の字を使ってみるのはどうだろう、という考えも浮かんできます。
手で推してみたり、敲くような仕草をしてみたものの、結局決まらず考えあぐねていました。
夢中になるあまり、思いがけず大尹(都の長官)であった韓愈(かんゆ)の列に突っ込んでしまいました。
捕らえられ韓愈の前に連れて行かれた賈島は、事の経緯をつぶさに申し立てました。
経緯を聞いた韓愈は言いました。
「それは『敲く』の方がいいだろう。」
ついには二人で馬を並べ、進みながら詩についてしばらく論じ合いました。
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校正との違い
推敲の意味や由来は分かりましたが、
校正とはどういった違いがあるのでしょうか。
まずは校正の意味を調べていきましょう。
- 校正の意味
文字・文章を比べ合わせ、誤りを正すこと。原稿を照合し、誤植や体裁の誤りを正すこと。
推敲とは違い「練り直す」「表現を考える」という作業は含まれていません。
また、作家や小説家ではなく、編集者や校閲の人間が行う作業として「校正」という言葉が使われることが多いようです。
推敲と校正の違い
校正
日本語・文章として正しいかどうか、活字として成り立っているかどうか、読者の目線で読みやすい文章かどうか、を重視する作業。
日本語・文章として正しいかどうか、活字として成り立っているかどうか、読者の目線で読みやすい文章かどうか、を重視する作業。
推敲
より良い文章になっているか、自分の書きたいことが一番伝わる文章・構成になっているか、書き手としてより優れた表現になっているか、を重視した作業。
より良い文章になっているか、自分の書きたいことが一番伝わる文章・構成になっているか、書き手としてより優れた表現になっているか、を重視した作業。
分かりやすく違いを付けるならこうなりますね。
もちろん作者自身が校正する場合もありますし、他所の書いた文章を推敲するという場面もないわけではありません。
ただ、校正という作業においては正しい日本語の知識と教養が求められるようですね。
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使い方の違い
では実際に例文を用いて推敲という言葉を使うとどんな感じになるのでしょうか。
例文を用いて校正との違いをみてみましょう。
「何度も推敲を重ね、じっくりと吟味し、やっと短編小説ができあがった」
「ただ情報を寄せ集めるのではなく、きちんと自分の中に落とし込み、推敲することが重要だ」
「記事が完成したと思ったが、推敲し直した結果、より良い表現が見つかった」
「文字が抜けていたり、漢字が間違っていたり、この原稿は校正ミスが多いな!」
「編集者から返ってきた原稿は、校正や添削で書き入れた赤字でいっぱいだった」
「ただ情報を寄せ集めるのではなく、きちんと自分の中に落とし込み、推敲することが重要だ」
「記事が完成したと思ったが、推敲し直した結果、より良い表現が見つかった」
「文字が抜けていたり、漢字が間違っていたり、この原稿は校正ミスが多いな!」
「編集者から返ってきた原稿は、校正や添削で書き入れた赤字でいっぱいだった」
微妙な違いがわかりますでしょうか。
(^^;
表現を変える、詩的な文章をプラスするような場合は、推敲を使いますが、誤字脱字を直したり、重複する言葉を減らす作業は校正に当たっているのがわかりますね。
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まとめ
今回は推敲の意味や由来、また校正との違いについて紹介しました。
推敲とは、文章の表現を考え、何度も練り直すこと。
純粋な日本語だと思いきや、由来は中国にありました。
推敲と校正の違いはややこしいですが、小さい頃に作文の間違いを先生に訂正されていたことを思い出すと
「あ、あれって校正だったんだ!」
と思いますよね。
推敲は単純な文章の正したとは別の意識が動いている場合に使います。
小説などを書く場合の順番としては、まず文章ができあがり、何度も推敲し、納得いくものになってから校正して活字として使える文章に・・・という感じですね。
今回は以上です。
ご参考になりましたら幸いです。
(*゚ー゚*)ノ
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