まん延防止等重点措置と緊急事態宣言の違い!非常事態宣言の場合は?
記事公開日:2021年5月31日
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コロナによる生活の変化や様々な自粛も、もう一年を超えてしまいましたよね。
それに伴って、
と、色々出されましたが、正直、違いが分からないと思いませんか?
これだけ聞いても、具体的に何をしていいのか分からないし、
「結局は全て自粛自粛、困っても自助で、国は何か宣言してるだけでしょ。」
って、やさぐれた気持ちになるだけなんですよね。
こういったものが分かりにくいのはいつもの事です。
せっかくなので、今回は上に挙げた3つの違いを整理してみようと思います。
同じ自粛でもどんな違いがあるのか、ここでスッキリさせておきましょう!
まん延防止等重点措置とは?
まずはまん延防止等重点措置から見ていきましょう。
- まん延防止等重点措置とは
- 事業者へ時短要請。
- 飲食店にはアクリル板の設置、もしくは人との距離を取るための対策をとる。
- マスク着用、手指消毒、換気の徹底。
- 住民に対して、知事の定める地域や業態へみだりに出入りしない。
- コロナのために確保している病床数の20%が使用されている。
- コロナ陽性と判断された患者のうち入院している患者が40%以下。
- 1週間当たりの新規患者報告数が10万人あたり15人。
まん延防止措置は、特定地域からのまん延(感染拡大)を抑えるための対応です。
措置をとる範囲は、市区町村です。
出される要請は、
措置が取られる目安は、以下のような状況の時です。
つまり、市区町村範囲で自粛要請が出る、という感じですね。
また、知事が住民に対して、「特定の業態(映画館や劇場等)」に行かないよう要請することもできるんです。
よく、
「劇場は良くて、映画館はダメなのか?」
みたいな論争が起こるのは、こういった業態への出入りの自粛要請が出るからなんですね。
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緊急事態宣言とは?
次は緊急事態宣言を見てみましょう。
- 緊急事態宣言とは
- 事業者へ時短要請、もしくは休業要請ないし命令。
- 飲食店にはアクリル板の設置、もしくは人との距離を取るための対策をとる。
- マスク着用、手指消毒、換気の徹底。
- 住民に対して、外出自粛要請。
- イベント開催制限、もしくは停止。
- コロナのために確保している病床数の50%が使用されている。
- コロナ陽性と判断された患者のうちの入院している患者が25%以下。
- 1週間当たりの新規患者報告数が10万人あたり25人。
緊急事態宣言は、善家屋的かつ急速なまん延を抑えるための対応です。
措置をとる範囲は、原則都道府県単位です。
出される要請は、
措置が取られる目安は、以下のような状況の時です。
まん延防止とは措置範囲が変わってくるんですね。
でも、入院している患者の割合が、
「まん延防止と緊急事態宣言で逆なのでは?」
と思いますよね。
これは、
「入院率が高いと、軽症者も入院できている。」
という判断がされるんです。
逆に、
「入院率が低いと、本来入院するはずの重傷者も入院できていない可能性がある。」
という判断がされるためなんです。
「?????」となるかもしれませんが、計算式を見れば分かるんです。
(入院している患者数)/(すべての患者数)×100 (%)
これが入院している患者の割合の計算式です。
入院できる患者数は決まっているのに、分母の「すべての患者数」が増えると、入院している患者の割合は低くなっていきますよね。
この動きを反映しているんです。
なので、入院している患者の割合は低くなればなるほど医療現場は大変なことになっているという指標になるんです。
ちょっと分かりにくいですが、こういうことなんですね。
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非常事態宣言とは?
最後に非常事態宣言を見ていきましょう。
ん?非常事態宣言?
最近聞かないけど、なんだっけ?
ですよねー。
- 非常事態宣言とは
想像し得るあらゆる危険な事態(健康・生命・財産・環境などに危険が差し迫っている有事)に対して、国家や地域、政府、地方公共団体などが、法令などに基づいて特殊な権限を発動するために、或いは、広く一般・公衆に注意を促すために、そのような事態を布告・宣言することである。
以前、「避難勧告」「避難指示」「避難命令」のレベルの違い!強制力が一番上なのはどれ?」で紹介したことがあったので、よかったらこちらも見てみてください。
そして、「避難勧告」や「避難指示」は2021年5月20日から「避難指示」に一本化されました。
大雨などの時は避難のタイミングって難しいですよね。
結構モタモタオロオロしてしまいますし…
台風や大雨の時、地震の時、平日の日中の場合、など状況を場合分けして家族で動きを確認・共有しておくといいですよ。
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まとめ
今回はまん延防止等重点措置、緊急事態宣言、非常事態宣言の違いを整理してみました。
コロナに関しては、検査方法や様々な状況に対する体制、求められ続ける自粛と経済の縮小…と、本当にストレスが溜まりますよね。
専門家と呼ばれる人たちに対する声も厳しいものです。
ただ、個人的に思うのは、マスコミが積極的に取り上げている「誰かの発言」を素直に信じて、別の誰かを批判する傾向が強かった気がします。
マスコミが取り上げた人物は「感染症の専門家」だったのか?
もっと言えば、その人物は「ウイルス学」や「公衆衛生」を専門としていた人物だったのか?
さらに言えば、「基礎医学」と「臨床医学」、どちら側の人間だったのか?
「外科医」と「内科医」、どちらの発言だったのか?
コロナ禍は、色々な立場の人間が、多くのことを考えて発信する良い機会となりましたよね。
それだけに、発言者のバックグラウンドを無視してマスコミが都合よく意見を切り貼りして発信したことも多かったように感じます。
あくまでも個人的な感想だと受け取って欲しいのですが、正体不明の感染症による大きな混乱があった時にマスコミがすべきことは、
「経済や政治、医学等、複数の立場の人間同士の忖度の無いディスカッションから導き出される複数の見解を整理して発信すること。」
だったと思うのです。
そして今の段階は、「ワクチンや、今後開発される薬剤のリスクとメリットの正しい発信」かと思います。
まとめが長くなってしまいましたが、最後に紹介したいメッセージがあります。
最後に一点、2020年2月のものなのですが、東北大学の微生物学分野の押谷教授のメッセージを紹介します。
>>新型コロナウイルスに我々はどう対峙すべきなのか
過去の新興感染症や、今後も出てくる可能性のある新しい感染症も含めて、重要になってくる感染症に対峙するための知識や考え方が、4部に分けて述べられています。
押谷教授は、
「このウイルスがなかったらもっと長く生きられたはずの人たちの人生があったことを想像する力が大事である。」
とおっしゃっていますが、私もまさにその通りだな、と思いました。
自分と周囲の人を守るための知識の一つとして、よかったら読んでみてくださいね。
長くなってしまいましたが、今回は以上です。
ご参考になりましたら幸いです。
(*゚ー゚*)ノ
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